住宅を購入するときは、戸建てにするか、マンションにするか迷うことと思います。しかし、不動産を購入する際に無視できないのが固定資産税です。のちの税金負担を考慮しておかなければ、あとで後悔することになるかもしれません。この記事では、戸建てとマンションで課税される固定資産税の目安となる平均額を紹介します。
戸建ての固定資産税の平均額
固定資産税は、住宅や土地を所有する際に発生する税金で、その額は所有する不動産の価値に基づいて算出されます。一方で、不動産の購入額を支払ったにもかかわらず、また税金が課されることに疑問を持つ方も多いでしょう。住宅や土地は、それ単体で機能するわけではありません。
ほとんどの場合、人が居住し、周辺への往来が発生します。したがって、不動産を購入すると、都市機能や道路などの機能を使用することになり、それらを維持するお金が必要です。よって、土地や不動産の所有者は、毎年、1月1日時点の不動産の価値に基づいて税金を納めることになります。
固定資産税は、地価が高いほど税額も高くなることが特徴です。評価額は、単に建物のみにとどまらず、土地の価値も含まれ、地価が定期的に見直されることで税額も変動します。増額することもあれば、減額されることもめずらしくありません。
建物が建てられてからの経過年数によっても変動し、経年にともない減額されることが一般的です。戸建て住宅の場合の、固定資産税の平均額は、おおよそ10万円から15万円とされています。ただし、これはあくまで平均であり、土地や建物の評価額によって異なります。
地価が高いエリアや建物が広大な場合、税額も相応に上昇します。よって、あくまで参考程度にとどめておき、3年に1度の見直しや建設後の経過年数による変動に注目しながら、固定資産税を支払っていくことが求められます。
安定的な資金繰りを考えた場合、あらかじめ税金の額を予想し、支払わなければならないお金として見込んでおくことで、いきなり請求されて焦ることもなくなるでしょう。固定資産税は、都市機能を維持するための重要な税金です。戸建てを所有している方は、支払いの余裕をしっかりともっておきましょう。
マンションの固定資産税の平均額
マンションも不動産であるため、購入する場合は、固定資産税の支払いを求められます。固定資産税は、住んでいる部屋の広さが評価額の基準のひとつとなるため、マンション全体の土地を戸数で分割して算出された額を支払うことになります。
マンションの固定資産税の平均額は、おおよそ8万円から10万円程度です。戸建て住宅の固定資産税の平均額はおおよそ10万円から15万円とされているため、比較すると少なめといえるでしょう。額が低い理由は、課税対象となる土地部分が戸建てよりも小さいからです。
したがって、マンションの方が固定資産税を抑えられているように感じるのは土地が小さいためであり、マンションだからといって固定資産税が軽減されるわけではないことを知っておきましょう。差が出るのは、固定資産税の評価額そのものではなく、減少幅です。新築時点で考えると、マンションよりも木造住宅の方が早く税額が減少する傾向があります。
理由は、多くの分譲マンションが鉄筋コンクリート造であるため、法定耐用年数が47年であるのに対し、木造は早く痛むため、22年と短めに設定されているためです。そのため、木造住宅の場合、新築マンションに比べて固定資産税が早く割安になります。
マンション購入においては、税金の動向にも注目し、将来的な支払いに備えることが重要です。しかし、税金面だけに注目するのではなく、購入時の魅力やメリット、将来のライフスタイルに合わせて戸建てかマンションか検討しましょう。
固定資産税を抑える方法
戸建てでもマンションでも、税金は可能な限り抑えたいものです。実は、固定資産税を抑える方法は存在します。固定資産税の軽減特例措置を覚えておきましょう。
土地の特例措置
まず、土地に関しての特例措置です。住宅用地にする場合に、200平方メートルまでの部分に関しては、固定資産税が6分の1で計算される特例です。店舗併用住宅の場合、住むための部分が半分以上の場合、その全体が住宅用地と見なされます。
マンションの場合は、敷地全体の面積を居住用住戸の戸数で割り、住宅用地として計算されます。つまり、住宅用地として認識されれば税金が軽減されるということです。よって、空き地や駐車場などに住宅を建てることで、固定資産税を抑えられます。積極的に活用していきましょう。
新築の特例措置
新築に対する軽減特例も大変魅力的です。新築住宅の場合、建ててから3年間、マンションの場合は5年間に限り、120平方メートル相当分は固定資産税が半額になります。また、認定長期優良住宅の場合、新築後5年間にさらに2年間加算した7年間は、この特例が適用されるため大変お得です。
ただし、認定長期優良住宅の場合は、取得後に、迅速に市町村・都税事務所への届け出が必要です。加えて、3階建て以上の耐火・準耐火構造の建造物に該当するマンションや一戸建ては新築後5年間、認定長期優良住宅の場合は新築後7年間、固定資産税が半分になる優遇措置を受けられます。
しかし、軽減特例は自動的に適用されないため、住宅用地等申告書を作成のうえ、翌年の1月31日までに市区町村役場へ提出する必要があります。当然、申告しないと特例措置を受けられないので注意が必要です。これらの特例を活用することで、固定資産税を軽減でき、家計の助けとなるでしょう。
まとめ
注文住宅を検討している方にとって、固定資産税は避けて通れない税金です。戸建てとマンションでは、土地の大きさが異なるため、固定資産税の額は異なります。また、評価額の減少幅も異なる傾向があります。
特例措置を利用して税金を抑える方法を知っておくと、大幅に軽減できる場合もあり、家計にとって大きな助けになってくれるでしょう。