家を建てるとき、バリアフリーにするかどうか迷う人も多いでしょう。バリアフリーの住宅にすると、高齢者だけでなく、小さな子どもや障がい者がいる家庭にとっても暮らしやすい住まいになります。本記事では、バリアフリーな住宅とはどのようなものか、そのメリットや向いている家庭についてわかりやすくご紹介します。
リアフリー住宅とは？暮らしやすさを考えた家づくり
バリアフリー住宅とは、誰もが安心して快適に暮らせるように工夫された家のことです。では、具体的にどのようなポイントがあるのか、詳しく見ていきましょう。
つまずきにくい家
バリアフリー住宅の大きな特徴のひとつが、家の中にできるだけ段差がない点です。玄関や部屋の出入り口、廊下、浴室などに小さな段差があるだけで、転倒のリスクが高まります。そのため、段差をなくし、必要に応じてスロープを設置すると安心です。どうしても段差が必要な場合は、目立つ色にしてわかりやすくしたり、夜間でも見えるように足元を照らすフットランプをつけたりするのが効果的でしょう。
しっかりつかまれる家
転倒を防ぐためには、手すりの設置も重要です。玄関の上り框（かまち）やトイレ、浴室、廊下など、体のバランスを崩しやすい場所には、しっかり握れる手すりをつけると安全です。とくに浴室は、滑りやすい床や立ち座りの動作が多いため、壁に手すりを取り付けると事故のリスクを減らせます。
温度差の少ない家
家の中の急激な温度変化も、健康に大きな影響を与えます。とくに冬場、暖かいリビングから寒い脱衣所や浴室に移動したときに、血圧が急変して起こるヒートショックは、高齢者の事故の原因になることも少なくありません。バリアフリー住宅では、家全体の温度差を少なくするために、浴室やトイレにも暖房を設置したり、断熱性能の高い窓や壁を採用したりすることが大切です。
バリアフリー住宅のメリットとは？暮らしやすくなる理由
バリアフリー住宅は、高齢者や障がいのある人のためだけではなく、誰にとっても暮らしやすい家になります。段差をなくしたり、生活動線をスムーズにしたりすると、日々の生活が快適になるのが大きな魅力です。では、バリアフリー住宅にするとどのようなメリットがあるのか、詳しく見ていきましょう。
毎日の動きがスムーズな家になる
家の中に段差が少ないと、掃除機をかけたり、重い荷物を運んだりするときの負担が減ります。たとえば、掃除機やモップをかけるとき、部屋ごとに小さな段差があると引っかかってしまい、面倒に感じる場合もあるでしょう。
しかし、バリアフリー住宅ならスムーズに掃除ができるので、家事の時短にもつながるのです。また、洗濯物をもって移動するときも、つまずく心配がないため、安全に家事をこなせます。
未来を見据えた安心の家になる
バリアフリー住宅は、今だけでなく将来の暮らしにも役立ちます。若いうちは気にならなくても、年齢を重ねるとちょっとした段差が大きな負担になるときもあるでしょう。
また、将来的に親と同居する可能性がある場合、最初からバリアフリー設計にしておくとリフォームの手間が省けるのです。早めに備えておけば、いざというときに慌てずに済みます。
どんな人でも快適に暮らせる家になる
家族の中に車イスを使う人がいる場合、バリアフリー設計の家なら安心して暮らせます。廊下やドアの幅を広めにしておけば、車イスでもスムーズに移動が可能です。
また、トイレや浴室に手すりをつけると、介助の負担も減り、本人もより自立した生活がしやすくなります。家族みんながストレスなく過ごせる環境が整うのも、バリアフリー住宅の大きな魅力です。
バリアフリー住宅の費用はどのくらい？価格の目安
バリアフリー住宅を建てるとき、気になるのが費用でしょう。バリアフリー設計にすると、通常の住宅よりもコストがかかるのではないかと不安に思う人もいるかもしれません。ここでは、バリアフリー住宅の費用の目安や注意点についてわかりやすく解説します。
バリアフリー住宅の価格目安
バリアフリーの注文住宅の費用は、建物の広さや土地の条件によって異なりますが、一般的な相場は以下のようになります。
・ローコスト住宅（比較的安価なプラン）→ 約1,000万円前後
・ハイグレード住宅（設備や仕様にこだわったプラン）→ 約3,500万円前後
価格に大きな差があるのは、使用する建材や設備のグレード、施工会社による違いがあるためです。バリアフリー設計だからといって必ず高額になるわけではなく、工夫次第でコストを抑えられます。
広さに注意！バリアフリー住宅は少し狭くなる
通常、35坪の家であれば家族4人が快適に暮らせる広さとされています。しかし、バリアフリー住宅では、通路やドアの幅を広くとるため、その分居住スペースが狭くなる場合があります。
加えて、車イスがスムーズに通れるようにする場合、標準的な設計よりも余裕をもった間取りにする必要があるため、同じ坪数でも一般の住宅よりも圧迫感を感じるかもしれません。
施工会社によって坪単価が変わる
バリアフリー住宅の費用は、建てる場所や依頼するハウスメーカー・工務店によって大きく異なります。たとえば、都市部と地方では坪単価が違いますし、同じ広さでもハウスメーカーごとに仕様が変わるため、価格差が出ます。
そのため、最初から一社に決めるのではなく、複数のハウスメーカーや工務店のプランを比較することが大切です。見積もりをとり、どこが自分の希望に合っているのかを確認しましょう。
まとめ
バリアフリー住宅は、家族全員が安心して快適に暮らせる家づくりの形です。段差をなくしたり、手すりを設置したりすると、日々の生活がスムーズになり、将来の備えにもなります。また、バリアフリー住宅には多くのメリットがあり、家事の負担が軽減されるだけでなく、高齢になっても安心して住み続けられます。なお、費用はプランや施工会社によって異なりますが、予算やライフスタイルに合った選択をするのが大切です。バリアフリー住宅を検討する際は、将来を見据えて慎重に計画し、複数の施工会社の比較を行うと、理想の住まいを実現できるでしょう。
