注文住宅を建てる際、駐車場を設けるのは一般的ですが、実際に住み始めてから「失敗した」と感じる人も少なくありません。そこで、本記事ではよくある失敗例とその原因を整理し、駐車場計画で後悔しないためのポイントをご紹介します。家づくりを成功させるために、ぜひ参考にしてください。
注文住宅の駐車場で後悔した人たちの失敗例
まずは、注文住宅に駐車場を付けて失敗した例や後悔したケースを見ていきましょう。どのような後悔があるのでしょうか。
スペースが足りず使いにくい
駐車場の広さをギリギリにしてしまい、実際に車を停めると「狭かった」と感じるケースがあります。とくに横幅に余裕がないと、乗り降りのたびにドアを慎重に開ける必要があり、壁やフェンスにぶつけないように気を使うことになるでしょう。また、駐車場のスペースを最小限に抑えた結果、大きめの車に買い替えた際に停めにくくなる場合もあります。
地面や設備の素材選びで後悔
駐車場の地面部分の素材として土や砂利を選んだ場合、時間が経つと徐々に減ってしまい、定期的な補充が必要になります。とくに雨が降ると水がたまりやすく、ぬかるみが発生するときもあるでしょう。
また、カーポートの屋根やカーゲート、チェーンポールなどを設置した場合、汚れや不具合がないかこまめなチェックとメンテナンスが求められます。駐車場は家の正面に配置される事例が多いため、汚れやトラブルが目立ちやすく、住宅全体の印象に影響を与える可能性を意識しておく必要があります。
固定資産税がかかるとは知らなかった
ビルトインガレージやガレージタイプの駐車場は、3方向以上が壁で囲まれているため、固定資産税の課税対象となります。したがって、思っていた以上に税金がかかり、後から負担が増えたと後悔するケースも少なくありません。
また、駐車場を広く作れば作るほど税額に反映されるため、予想以上の出費につながる可能性もあります。
注文住宅の駐車場タイプを知ろう
注文住宅の駐車場にはさまざまなタイプがあり、それぞれに特徴やメリット・デメリットがあります。自分のライフスタイルや敷地条件に合ったタイプを選ぶのが大切です。
住宅と一体化したビルトインガレージ
住宅の一部として駐車スペースを設けるタイプです。土地が狭くてもスペースを有効活用でき、大切な車を天候やいたずらから守れます。また、居住スペースから直接駐車場に移動できるため、雨の日でも濡れずに車を利用できるのが魅力です。
しっかり車を守るガレージタイプ
屋根と三方向以上の壁がある駐車スペースで、シャッターを取り付ければ防犯性が高まります。倉庫として活用できる点も便利ですが、設置場所によっては建物内の採光に影響を与える可能性があるため、配置を慎重に考えることが大切です。
手軽に設置できるカーポートタイプ
屋根と支柱だけで構成されたシンプルな駐車スペースです。トランクから荷物を取り出しやすい点やある程度の天候対策ができる点がメリットです。ただし、側面が開いているため横殴りの雨や鳥のフンを完全に防げません。
開放的なオープンタイプ
屋根や壁のない野ざらしの駐車スペースです。車が雨風や汚れの影響を受けやすいデメリットはありますが、建物に影を落とさないため、日当たりを確保しやすいという利点もあります。コストを抑えたい場合や駐車場の広さを柔軟に使いたい場合に選ばれる事例が多いです。
注文住宅の駐車場づくりで失敗しないためのポイント
ここでは、これから注文住宅を建てる人へ、駐車場で失敗しないためのポイントを紹介します。家づくりと同じように、駐車場も計画的に設計すると、使いやすく快適なスペースになります。
ゆとりある駐車スペースを確保する
駐車場の広さは、停める車の大きさや台数に応じて決める必要があります。標準的なサイズの車を前後に余裕をもって駐車するためには、幅2.4m以上、長さ4.3m以上あると望ましいです。
また、スムーズに乗り降りするには、左右のスペースも確保しておくと安心でしょう。とくに両側のドアを開けて乗り降りする場合は、横幅を3.5m以上にするのをおすすめします。
防犯対策を考える
車の盗難やいたずらを防ぐためには、防犯対策も重要です。ビルトインガレージの場合はシャッターを設置すると、不審者の侵入を防げます。屋外駐車の場合は、カーゲートや防犯カメラ、センサーライトを導入すると安心です。夜間や長期間の外出時も、車をしっかりと守れる環境を整えましょう。
電気自動車への対応を検討する
電気自動車を利用する場合は、充電設備の設置も忘れずに考えましょう。200Vの屋外コンセントを設置すれば、自宅でスムーズに充電できます。現在はガソリン車を使用していても、将来的に電気自動車へ切り替える可能性があるなら、あらかじめ充電用の設備を整えておくのもおすすめです。
適した素材を選ぶ
駐車場の地面には砕石、土、アスファルト、コンクリートなどさまざまな素材があります。それぞれ特徴が異なるため、使用目的やメンテナンスのしやすさを考えて選びましょう。たとえば、砕石や土は費用を抑えられますが、雨の日にぬかるみや水たまりができやすくなります。コンクリートやアスファルトは耐久性が高いですが、施工費がかかるため、予算や環境に合わせた選択が重要です。
まとめ
注文住宅の駐車場を決める際には、失敗を避けるためにしっかりとした計画が必要です。まず、駐車場の広さやタイプを選ぶ際には、車のサイズや利用する頻度、将来の可能性を考慮することが重要です。また、防犯対策や素材選びにも注意を払い、長期的な維持管理の手間を減らすための工夫が求められます。自分のライフスタイルに合った駐車場を選ぶと、快適で機能的な住まい作りが実現できます。しっかりとチェックポイントを押さえて、後悔のない駐車場づくりを目指しましょう。
