断熱性能の高い住宅のメリット・デメリットとは

公開日:2026/02/15 最終更新日:2026/02/19
断熱性能

家の断熱性能は、快適な暮らしに直結する重要なポイントです。断熱性が高い住宅は、室内の温度が安定し、省エネや光熱費の削減にもつながります。本記事では、断熱性能の高い家のメリット・デメリットや性能を向上させる方法を解説するので、注文住宅の購入を検討している人はぜひ参考にしてください。

断熱性能の高い住宅のメリット

断熱性の高い家には、快適性や経済性、健康面で大きなメリットがあります。

年間を通して一定の温度が保たれる

まず、断熱性能が優れている住宅では、外気温の影響を受けにくく、冷暖房で調整した室内の熱も逃げにくいため、年間を通して一定の温度が保たれます。そのため、季節による急な温度変化が少なく、家の中で常に快適に過ごすことが可能です。特に寒い冬や暑い夏でも、室内の温度差が小さいことで快適さが大きく向上します。

冷暖房費の節約につながる

次に、断熱性の高い家は冷暖房費の節約にもつながります。室内温度が安定しているため、冷暖房を長時間使用する必要が減り、エネルギー消費を抑えることができます。また、冷暖房器具にかかる負荷も少なくなるため、機器の寿命を延ばすことも可能です。結果として、光熱費の削減と機器の維持費の節約の両方が期待でき、家計にもメリットがあります。

ヒートショックの予防につながる

さらに、高断熱住宅は健康面でも安心です。特に注意したいのが、ヒートショックの予防です。ヒートショックとは、室温の急激な変化によって血圧が大きく変動し、心筋梗塞や脳卒中などのリスクが高まる現象を指します。

例えば、暖房で温められたリビングから寒い脱衣所へ移動すると、血圧が急上昇したり下降したりしやすく、身体への負担が大きくなります。断熱性が高い家では、部屋ごとの温度差を小さくできるため、ヒートショックのリスクを大幅に減らすことが可能です。消費者庁もこの点について注意を呼びかけており、健康面でも断熱性能の重要性が高まっています。

断熱性能の高い住宅のデメリット

断熱性能の高い家には多くのメリットがありますが、一方でいくつかのデメリットも存在します。

建築費用が高くなりやすい

まず、建築費用が一般的な住宅より高くなる点です。高断熱の住宅をつくるには、断熱性の優れた建材を使用したり、断熱材を適切に施工したりする必要があり、その分コストがかかります。しかし、初期費用は高くても、冷暖房費の削減や快適で安全な暮らしが長期的に得られることを考慮すると、総合的なコストパフォーマンスは優れていると言えます。

内部結露のリスクがある

次に、内部結露のリスクがあることも注意点です。内部結露とは、外気と室内の温度差によって、壁の内部や床下、天井裏など目に見えない部分に空気中の水蒸気が冷やされて水滴となる現象を指します。これが発生すると、柱や梁などの木材が腐食したり、カビやダニが発生したりして、住宅の耐久性や住環境に悪影響を与える可能性があります。

内部結露を防ぐためには、壁内に防湿シートを設置したり、24時間換気システムを稼働させたりするなどの対策が不可欠です。なお、24時間換気システムは現行の建築基準法でも設置が義務付けられています。

空気がこもりやすくなる

さらに、高断熱住宅は空気がこもりやすくなる傾向があります。断熱性が高い家は気密性も高く、壁や窓の隙間が少ないため、外気との熱移動が少なくなる一方で、室内の空気が滞りやすくなります。その結果、においや湿気がこもりやすくなるため、快適な空気環境を維持するには常時換気が重要です。24時間換気システムを活用することで、自動的に空気を入れ替え、室内環境を健康的に保つことが可能です。

断熱性能の高い家を作るためのポイント

断熱性能の高い家をつくるには、主に「断熱材の施工」「開口部の断熱性強化」「気密性の向上」の3つがポイントです。

床・壁・天井に断熱材を入れる

まず、床・壁・天井に断熱材を入れることが重要です。外の熱は壁や屋根、床などを通して伝わるため、部位ごとの熱の出入りに応じた断熱対策が必要です。特に夏場は屋根から、冬場は外壁や換気口から熱が出入りしやすいため、断熱材の種類や厚み、施工方法を確認することが大切です。

開口部の断熱性を高める

次に、窓や玄関などの開口部の断熱性を高めることも欠かせません。家全体の熱の大部分が窓やドアを通じて出入りするため、ペアガラスやトリプルガラス、樹脂製サッシやLow-Eガラスなど、断熱性能の高い窓を選ぶことで室内温度を安定させられます。また、玄関ドアも断熱仕様のものを選び、風除室を設置すれば冷気の侵入を防ぎ、室内の熱を逃がしにくくできます。

家全体の気密性を高める

最後に、気密性を高めることが重要です。家のすき間からは空気が出入りして熱が逃げやすいため、開口部やコンセント周りなどのすき間を少なくすることで室内温度を保ちやすくなります。気密性の目安となる「C値」は、数値が小さいほど高気密で、床面積1m²あたり1cm²以下であれば高気密住宅といえます。

まとめ

家の断熱性能は、快適な暮らしや省エネ、健康面にも大きく影響します。断熱性の高い住宅では、室内温度が年間を通して安定し、冷暖房費の節約やヒートショックの予防にもつながります。一方で、建築費用が高くなりやすいことや、内部結露、空気がこもりやすい点には注意が必要です。断熱性能を高めるには、床・壁・天井への断熱材施工、窓や玄関など開口部の断熱性強化、そして家全体の気密性向上がポイントです。これらを意識することで、快適で健康的な住まいを実現できます。

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